アウシュビッツ強制収容所の跡地を訪れた人たち。門にはドイツ語で「働けば自由になる」と記されている=2025年1月28日午前8時27分、ポーランド南部オシフィエンチム、藤原伸雄撮影

 ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の舞台となったアウシュビッツ強制収容所の解放から80年。世界では戦争が絶えず、反ユダヤ主義や排外主義が高まる。元収容者から「デジャブ(既視感)」を感じるとの声も出て、歴史の教訓が問われている。

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 「欧州でナチスのような制服やスローガンを掲げて行進する人を見ると、深い悲しみに襲われる」。27日の追悼式典で演説した元収容者のレオン・バイントラウブさん(99)はこう述べた。80年前と今を重ね合わせ、人種差別や反ユダヤ主義、同性愛への嫌悪に懸念を示した。

 欧州では移民流入への不満などから、排外主義を訴える右翼政党が支持を伸ばす。ドイツでは右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持率で2位につけ、オーストリアでは元ナチス党員らがつくった右翼「自由党」が昨年の総選挙で第1党に。両党とも幹部らが演説でナチス時代のスローガンに触れるなどして物議を醸している。

 国際アウシュビッツ委員会の…

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