米国のMLSクラブを集めたアカデミーの大会。フランスの育成組織などを手本にしているという=2024年6月、米カンザスシティー、照屋健撮影

現場へ! サッカー不毛の地は今(3)

 「サッカー不毛の地」といわれてきた米国の大きな課題が、有力な若手の育成だった。

 米国代表は現在、世界ランキング18位。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会では、日本と同じベスト16で敗退したが、これまでと違って20代前半の選手の台頭が目立った。

 米国とカナダのチームで構成されるプロリーグ、メジャーリーグサッカー(MLS)の幹部であるダン・コータモンチ氏は「(30代後半の)メッシ、ブスケツ、スアレスに注目が集まるが、リーグの平均年齢は20代半ばと若い」。そして、こう強調した。「我々は時間をかけて、育成に力をかけてきた」

 欧州クラブや日本のJリーグでも創生期からあるアカデミー制度を07年に導入。フランスサッカー協会と提携を結び、育成拠点の仕組みなどを採り入れている。

 「代表的な成功例」として挙げるのは、カナダ代表で独バイエルン・ミュンヘンに所属するアルフォンソ・デービス(23)だ。MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスのアカデミー出身。育成リーグでプレーし、今は世界的なサイドバックとして活躍する。

 コータモンチ氏は「26年のW杯では、我々のリーグで育ったより多くの若手の有望株がプレーするだろう」と話す。

 6月に米カンザスシティーであったアカデミーの大会に足を運ぶと、アルゼンチンのスター、メッシが所属するインテル・マイアミのユースチームなどが集っていた。

 他国にない米国のアカデミー…

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