アジア・アジアパラ競技大会の主会場となる名古屋市瑞穂公園陸上競技場では建て替え工事が進む=2024年12月26日午後0時54分、同市瑞穂区、松島研人撮影

 2026年に愛知県で開催予定のアジア・アジアパラ大会で大会経費が当初の想定より大幅に膨れる見通しとなっていることについて、17日にあった名古屋市議会の委員会で、現時点での試算を明らかにするよう市議らが相次いで求めた。市側は「(経費を)積み上げている段階で答えられない」と繰り返し答えた。

 県と市は「質素で合理的な大会」を掲げて2016年に大会を誘致した。行政などでつくる組織委員会は大会経費についてアジア大会が850億円、パラ大会が200億円ほどと公表。しかし、昨年12月中旬時点の試算では、アジア大会の経費が約2千億円、パラ大会が400億円弱に膨らんでいることが朝日新聞の報道で明らかになった。

 市は物価高の影響などで大会経費が膨らむことは避けられないとしつつ、現時点での具体的な試算は公表していない。

 17日の市議会総務環境委員会では、市議から当初の見通しが「甘かったと言わざるを得ない」などの批判が相次いだ。市側は試算は過去の大会を参考にしたもので「実際の大会をターゲットに交渉を経た積み上げではない」と弁解した。

 杉浦弘昌総務局長は「大会直前の段階においてもまだ積算が固まらず、大変申し訳ない」と謝罪。その上で、「一刻も早く、大会の支出、収入を固め説明しないといけない」と述べた。

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