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国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所の峯陽一所長=2025年8月6日、東京都内、加藤あず佐撮影

 アフリカの首脳らを日本に招き、開発課題を議論する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が20日から横浜市で開かれています。アフリカとアジアをくくる「アフラシア」という概念を唱える、国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所の峯(みね)陽一所長に、二つの地域が交わる未来について聞きました。

 国連の世界人口推計によると、2100年代の前半までに、アフリカとアジア両地域が世界の人口の4割ずつを占めるようになります。アフリカとアジアが地球規模の課題に向き合い、対話を通じて世界の秩序の行方を定めていく。そんな時代を私は「アフラシアの時代」と呼びます。

 アフリカとアジアをくくる「アフラシア」という地理的な概念を唱えるのは、世界の「重心」が変わりつつあるからです。植民地にされた歴史を持つ地域の人々が、地球社会の圧倒的な多数派となる。国連安全保障理事会が機能不全に陥り、総会が果たす役割がより大きくなると、グローバルサウスが秩序を動かします。そこから目をそらしてはいけません。

 高齢化が進むアジアに対し…

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