国際協力機構(JICA)が認定したアフリカホームタウンに反対するデモでは、撤回を求めるプラカードを掲げる人もいた=2025年8月28日午後5時34分、東京都千代田区、山本知佳撮影

 「解体、解体、解体!」。8月28日午後6時、東京都千代田区の国際協力機構(JICA)本部前。建物に向かって100人近い人が「JICA解体」を求めて声を張り上げた。

 10代の学生からスーツ姿の会社員風まで様々な年代の人々が集った。「アフリカホームタウン計画は白紙撤回一択」と書かれたプラカードや日本国旗などを掲げ、「日本人のために税金を使え!」「移民を増やすな!」などと訴えた。

 問題の発端は、8月22日まで横浜市で開かれた第9回アフリカ開発会議(TICAD)で、JICAがアフリカ各国と交流の深い国内4市を各国の「ホームタウン」に認定したことにある。千葉県木更津市とナイジェリア、山形県長井市とタンザニア、新潟県三条市とガーナ、愛媛県今治市とモザンビークがペアになり、人材交流や連携イベントをJICAが支援し、国際交流を後押しするのが目的だ。

 ところが発表直後から、SNSなどでは「移民が押し寄せてきたら誰が責任をとるのか」といった投稿が急速に拡散し、4市には抗議の電話やメールが殺到。「JICA解体」デモまで起きる騒動へと発展した。

 背景にあるものは何か。

抗議の電話は今も1日200件近く

 国際協力機構(JICA)が…

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