資源が豊富で人口の増加が続くアフリカは、成長が期待される地域だ。国連によると、2050年までに約25億人に達する世界人口の4人に1人がアフリカ人になるという。若い労働力が増えることで、経済の活性化が見込まれている。
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国連環境計画(UNEP)によると、世界の鉱物の約30%がアフリカに眠っている。金やプラチナ、コバルトが豊富で、こうした資源をいかに調達するかで、日本は欧米や中国などと競っている。
課題もある。世界銀行によると、アフリカ全体の貧困率は約4割に達し、人口の増加に伴って貧しい人も増えると予測されている。資源の利権は政府や大企業が独占していることが多く、富の分配は進んでいない。資源をめぐって武力紛争に発展したこともある。
気候変動の影響も深刻だ。とくにサハラ砂漠南部のサヘルは地球平均の1.5倍の早さで気温上昇が進んでいる。農業や牧畜ができなくなり、移民として欧州に向かう人や、過激派組織に組み込まれる人が後を絶たない。
一方、国際社会におけるアフリカの政治的な存在感は増している。主要20カ国・地域会議(G20)には、創設メンバーとして地域大国の南アフリカが入っていたのに加えて、23年には、アフリカ全体を代表するアフリカ連合(AU)も正式メンバーとして参加。グローバルサウスの一角として、アフリカ諸国の声を代弁する役割を果たしている。
貧困などの課題を抱えながらも、成長が見込まれるアフリカに、各国は関係強化の在り方を模索している。日本はアフリカ開発会議(TICAD)を主導。貧困や環境問題の解決などで日本の関与が期待されている。