自然豊かな尾瀬の南方にある群馬県立尾瀬高校(沼田市)の自然環境科は、自然の中で学ぶ独自の教育プログラムがあり、全国から生徒が集まる。今春卒業した生徒の一人は、アリの研究に打ち込み、大学教授がその「発見」に驚き、共同調査に発展した。
「アリは見た目も生態も多様。行動も可愛くて面白くて奥深い生き物」
尾瀬高校でアリを研究し今春卒業した井上巧基(こうき)さん(18)は「アリ愛」を語る。中学卒業後に母とともに水戸市から片品村へわざわざ移住して同校に3年間通った。
アリにはまったのは小学5年のとき。夏休みの自由研究でアリの巣の観察キットを買い、自宅近くで捕まえたクロオオアリ約20匹を入れて観察。アリによって働き方が異なることに気付いた。
研究を続けたい――。中学1年のとき、自然について自由な視点で学ぶ環境がある尾瀬高校への進学希望を固めた。
入学後、学校周辺のアリの分…