千葉県八街市で2021年6月、飲酒運転のトラックが児童5人を死傷させた事故は28日、発生から3年を迎える。酒を飲んだのに、なぜ運転するのか。アルコール依存と向き合う本人と家族が語り合い、回復をめざす「断酒例会」を取材した。
飲酒運転した女性 「飲まないと日常が過ごせなかった」
関東甲信地方が梅雨入りしたとみられた21日夕。雨の中、千葉市の稲毛公民館に12人の男女が集まった。「飲まないと日常が過ごせなかった」。酒を口にするのをやめて15年の女性(64)が過去を振り返り始めた。
最初は仕事が終わった後だけだった。次第に飲む時間が増え、朝、目が覚めると酒を飲み、「弁当を作ったり、子どもを送迎したり」。勤務先で昼休みにコンビニで酒を買った。週末に車で実家に向かうときは飲酒運転。人身事故は起こさなかったが、車を2台廃車にしたという。
公益社団法人全日本断酒連盟(東京都千代田区)の千葉県断酒連合会はほぼ毎日、県内各地で例会を開いている。
この女性はいつ依存症になったのか、覚えていない。酒を飲まないと体が震え、何もできなくなっていった。3カ月間入院し、退院後に断酒連合会とつながった。
当時は日付が変わっても飲み…