千葉県のNPOがつくった小冊子「アレルギー疾患の患者さんのための災害への備えと対応」

 ぜんそくや食物アレルギーなどの患者を対象に、大規模災害時の備えや対応をコンパクトにまとめた小冊子(A5判、10ページ)を、千葉県のNPO法人が作った。対象は子どもから大人まで。ホームページで公開、無料でダウンロードできる。

 NPO法人「千葉アレルギーネットワーク」(理事長=下条直樹・千葉大学病院アレルギーセンター客員教授、アレルギー専門医)が作成した。

 副理事長の桐谷利恵さん(60)によると、避難生活など環境の変化やストレスで、アレルギーの症状が悪化する場合もある。「平時に一つずつ、できるところから備えてほしい」と話している。

 NPOではこれまで、小学生らに防災を通してアレルギーへの理解を深めてほしいと、紙芝居「アレルギーっ子のための“もしも”のときどうする?」や、自分のアレルギー情報を書いて防災袋やふだん持ち歩くかばんに入れておくカードを作って、ホームページで無料公開してきた。

 内閣府の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(2013年)では、アレルギー患者は、災害時に支援が必要な「要配慮者」だが、患者自身にも自分のアレルギー原因食品の情報提供などを求めている。

 大規模災害時の対応については、日本アレルギー学会が運営するインターネットサイト「アレルギーポータル」に、行政や医療従事者だけでなく、患者や家族にも役立つ情報が紹介されている。自分のアレルギー情報を書いておくカードやゼッケン、各種のパンフレットなどは「災害におけるアレルギー疾患の対応」にまとめられた。

ぜんそく、食物アレルギーなど4種類別に備蓄例も

 ただ、50ページ以上あるため、読んで要点を理解するのは大変だ。コロナ下で控えていた啓発活動を再開するにあたり、「災害におけるアレルギー疾患の対応」を簡潔にまとめた小冊子をつくることにしたという。

 会員のアレルギー専門医も交え、順を追って備えられるよう「災害に備えて準備するもの」から「自分の住んでいる地域の公助について知るには」までステップ1~7に要点を絞ってまとめた。

 詳しい情報を知りたい人のために、QRコードや日本小児アレルギー学会のパンフレットなどのURLも載せている。

 ステップ1では、一般の非常…

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