田舎暮らしや文章論について語る近藤康太郎記者=2025年9月6日午後1時13分、徳島市山城町、相江智也撮影

 朝日新聞の連載「アロハで猟師してみました」などを手がける近藤康太郎編集委員の講演会「アロハ記者の田舎暮らしトーク&文章講座」が6日、徳島市のアスティとくしまであり、約70人が生活の裏話や文章論に耳を傾けた。

 文化担当やニューヨーク特派員などを経て、2014年に長崎県に移り住んだ近藤記者。米作りや狩猟の経験をつづった記事を書くと、「読者からダイレクトな反応がくるようになった」。反響の大きさが10年以上にわたって、九州各地で働きながら、田舎暮らしを続ける原動力だと語った。

 事前に参加者から寄せられた文章を基に、執筆のコツも披露。同じ言葉の重複やリズムを乱す言い回し、読み手に伝わりにくい表現をなくすといったテクニックを伝授した。

 近藤記者は「『言葉は道具』ではない。文章を書くことで、『ああ、俺こんなこと考えてたんだ』っていうのを、言葉に教わるんです」と締めくくった。

 新聞などへの投稿を続けているという阿南市の上原恵理子さん(42)は「一つ一つの言葉が心に響いた。もっと文章力を向上させていきたい」と話した。

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