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イランの首都テヘランで2025年6月15日、イスラエルからのミサイルが着弾したとみられる石油貯蔵施設から炎が上がった=AP
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 イスラエルは16日、イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」で国外作戦を担う部隊の指揮所や国営放送を攻撃したと発表した。イラン保健省は、13日の交戦開始以降に224人が死亡し、9割以上が民間人だったと15日に発表。イスラエル側も死者が増えており、双方で犠牲が拡大している。

 同軍によると、攻撃したのはイランの首都テヘランに点在する革命防衛隊の「コッズ部隊」の20以上の指揮所。この部隊は、パレスチナ自治区ガザのハマスやイエメンのフーシをはじめとする中東各地の親イラン武装組織との連携を主に担う。軍は声明で「コッズ部隊は(ハマスなど)イランの代理勢力を使って、イスラエルへのテロ攻撃を実行してきた」と述べた。

 また、軍の報道官は16日、SNSで、テヘランの一部地域の住民に退避を要求した。軍事目標を攻撃するとしたが、この一帯は市街地で、国営放送やレストラン街、日本企業のオフィスもある。

 イスラエルのカッツ国防相は同日、国営放送を攻撃したと発表した。国営放送は、放送中のスタジオが爆撃されたり建物から黒煙があがったりするような様子を伝えた。AP通信はイランメディアの報道をもとに、国営放送の生放送が一時中断したと伝えた。

 イスラエル軍は15日、テヘランの核開発関連施設や国防軍需省など80カ所を約50機の戦闘機で空爆したと発表した。さらに兵器工場を空爆したほか、自国から約2300キロ離れた東部マシャドの空港で空中給油機を攻撃したとも発表。これまで自国に比較的近い西部やテヘラン周辺、ガス田「サウスパース」がある南部への攻撃が中心だったが、イラン全土を攻撃できる空軍力を示した。

 また、16日までに、イスラエルへの脅威となる地対地ミサイルの発射台120基以上を空爆し、破壊したと報告。イランが保有する発射台の3分の1を占めるという。

 イラン保健省の報道官は15…

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