イスラエル政府は、パレスチナ自治区ガザ北部への支援物資の空中投下を近く停止する方針を固めた。AP通信などが8月30日に報じた。イスラエルは最大都市の北部ガザ市の制圧を計画し、その前段階として住民を退去させることを狙っているとみられる。人道危機がさらに深まると、批判の声が上がっている。
イスラエル軍は29日、支援物資搬入のためとして、7月末からガザ市など3地域で続けてきた日中の限定的な戦闘停止措置を終了すると発表。同時にガザ市を「戦闘区域」と宣言した。米CNNがガザ市の住民の話として伝えたところでは、イスラエルのドローン(無人機)が市の上空を旋回しながら南部に退避するよう求めるリーフレットを投下している。
こうした動きに、赤十字国際委員会(ICRC)のスポリアリッチ総裁は30日、「ガザ市住民を安全に大規模移動させるのは不可能だ。ガザのどこにもこれだけの人口を吸収できる場所はない」と懸念を表明した。
だが、イスラエル軍はガザ全…