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シリア首都ダマスカスにある衛星放送局アルジャジーラによると、ダマスカスで2025年7月16日、イスラエル軍が国防省を空爆した後、煙があがった=ロイター
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 イスラエル軍は16日、シリアの首都ダマスカス中心部にある暫定政権の軍の本部や、大統領官邸の付近などを空爆した。シリア国営通信によると、市民3人が死亡し、34人が負傷した。イスラエルは同国やシリア南部に住むイスラム教少数派ドルーズ派の保護を主張しているが、国連は非難している。

 シリアでは13日以降、ドルーズ派住民の多い南部スウェイダ周辺でドルーズ派の武装勢力とイスラム教スンニ派のベドウィン(遊牧民)間の大規模な衝突が発生。スンニ派主導の暫定政権軍などが鎮圧にあたり、在英NGOシリア人権監視団(SOHR)によると、374人が死亡した。うち27人の市民が、暫定政権側の勢力により処刑されたという。

 シリアから占領するゴラン高原などにドルーズ派の住民が暮らすイスラエルは、14日からシリアに空爆を実施し、ゴラン高原に展開する部隊の増強も表明。イスラエルのネタニヤフ首相は16日、X(旧ツイッター)に「ドルーズの兄弟を救い、(シリア暫定)政権のギャングを排除するために取り組んでいる」と投稿した。

 シリア暫定政権のシャラア大統領は16日、ビデオ演説でイスラエルの空爆を非難する一方、現地の治安維持を「地元勢力に委ねることに決めた」と表明。SOHRは17日、暫定政権軍がスウェイダから撤退したと報告したが、事態が収束するかは予断を許さない。

 米国のルビオ国務長官は16日、イスラエルやシリアと協議しているとし、「今夜中に(衝突を)終わらせるための具体的な措置に合意した」とXに投稿していた。

 国連のグテーレス事務総長は16日、声明で「イスラエルによる空爆の激化を非難する。シリアの主権と領土の一体性に対する全ての侵害を即時停止するよう求める」とした。

生放送中に爆発、キャスターの悲鳴

 イスラエルが16日に実施し…

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