イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で2025年8月14日、新たな入植予定地の地図を示すイスラエルのスモトリッチ財務相=AP

 イスラエルのスモトリッチ財務相は14日、英仏などがパレスチナを国家承認する意向を相次いで示したことに対抗し、長年凍結されていたパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の「E1」と呼ばれる地区への大規模な入植計画を推進すると発表した。将来のパレスチナ国家の樹立を妨げることになりかねず、国際社会から批判が相次いでいる。

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 イスラエルは1967年の第3次中東戦争以降、占領下に置く西岸などで自国民の入植政策を進めてきた。イスラエルの平和団体「ピースナウ」によると、入植者数は約50万人に上る。国際司法裁判所(ICJ)は昨年7月、入植地の拡大は国際法違反だと判断している。

 E1は西岸中部の大規模入植地マーレアドミムとエルサレムの間にあるため、計画が実現すれば、西岸を南北に分断するとともに、パレスチナが将来の独立国家の首都とする東エルサレムと西岸も隔てることになる。このため、歴代の米政権を含む国際社会が反発し、イスラエルは2000年代以降、計画を停止してきた。

 有力紙ハアレツによると、計…

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