レバノン南部で2024年9月23日、イスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍との国境を越えた対立が続くなか、立ち上る黒煙=ロイター

 パレスチナ自治区ガザでの戦闘を続けるイスラエルが、イスラム組織ハマスとの共闘を掲げてきたシーア派組織ヒズボラを標的として、ヒズボラの拠点であるレバノン本土への大規模空爆に踏み切った。この空爆でのレバノン側の死者は民間人も含め500人を超えた。イスラエルは今後も攻撃を続ける方針だ。なぜ、今なのか。今後どうなるのか。

 イスラエルは17~18日、ヒズボラのメンバーらが携帯する通信機器の一斉爆発に関与したとみられた後、司令官の標的殺害に続き、今回の大規模空爆を実施した。地元メディアによると、ガラント国防相は23日夜、「この1週間はヒズボラにとって、結成以来最悪なものになった」と「戦果」を誇った。

 ヒズボラとのイスラエル北部国境での交戦が始まったのは、イスラエルとハマスのガザでの戦闘開始直後だった。「ガザとの連帯」を掲げるヒズボラが北部に砲撃を始め、これまで6万人の北部住民が国内の他の地域へ避難を余儀なくされている。

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 ガザでの戦闘に終わりが見えず、ヒズボラは攻撃をやめる気配がない――。住んでいた地域に戻るめどが立たない国内の避難民たちの間では、状況の打開ができないネタニヤフ政権への不満がうずまいていた。

■イスラエルとヒズボラの全面…

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