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 イスラエルがイランに対する武力攻撃に踏み切り、米国もイラン核施設爆撃で参戦した「12日間戦争」。トランプ米大統領が停戦を宣言して24日で1カ月がたった。イランの首都テヘランの暮らしはおおむね日常を取り戻しているが、街の各所に交戦の傷痕が残る。

 テヘラン東部のナルマク地区は、首都の拡大にともなって開発が進んだ地域。4、5階建ての住居ビルが並ぶ何の変哲もない街路を進むと、ブルーシートが張られた一角があった。中は、解体が済んだ1棟ががれきの山になっていた。コンクリート塊と鉄筋の間に、サンダルや玩具など、生活のにおいを残すものが見え隠れしている。

写真・図版
イスラエルによる攻撃を受けた核物理学者の住宅ビルの跡地はブルーシートで覆われ、最高指導者らの肖像幕が掲げられていた=2025年7月21日、大野良祐撮影

 交戦2日目の6月14日深夜、イスラエルのドローン(無人機)によるとみられる攻撃を受けた。核開発に携わる核物理学者宅に命中し、家族を含めて7人が死亡した。両隣と裏の建物が半壊し、通りの向かい側は3棟ほどが爆風で窓ガラスすべてを吹き飛ばされていた。

狙われた核科学者たち

 近くの雑貨店の男性店員は「…

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