イスラエルのベングビール国家安全保障相(左)とスモトリッチ財務相=2022年12月29日、ロイター

 英国など5カ国が10日、イスラエルの極右閣僚2人に制裁を科すと発表した。これに対し、制裁対象となった閣僚の1人が、対抗措置として、パレスチナ経済を締め上げるさらなる強硬策を発表した、とイスラエルメディアが同日報じた。米国も制裁を非難しており、イスラエルを批判する国々との溝が深まっている。

 制裁を発表したのは、英国とカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー。

 共同声明で、イスラエルのベングビール国家安全保障相とスモトリッチ財務相に対し、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸での過激な暴力やパレスチナ住民の深刻な人権侵害を扇動したとして、入国や金融取引を禁じる制裁を科すとした。「本日の措置は西岸に焦点を当てているが、(パレスチナ自治区)ガザの惨状と別個に考えることはできない」とも指摘した。

 これに対し、スモトリッチ氏は、パレスチナがイスラエルに「正当性を否定する世界的な運動」を展開していると反発。イスラエルとパレスチナの銀行の協力を取り消す措置を指示したという。

 パレスチナは独自の通貨を持たず、人々はイスラエルの通貨シェケルを使って生活している。中東の衛星放送局アルジャジーラによると、今回の措置によってパレスチナ経済がイスラエルの銀行システムから切り離されかねず、「壊滅的な影響」を与える可能性があるという。

米国は制裁の撤回を要求

 スモトリッチ氏とベングビー…

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