パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで20日、イスラエル軍の空爆を受けた建物のがれきをブルドーザーで除去しようとする救助隊員たち=AP

 パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦を再開したイスラエル軍は20日、南部ラファで地上作戦を始めたと発表した。北部や中部でも地上作戦を進めていて、イスラム組織ハマスに対する攻撃をさらに拡大させた。両者の停戦合意は崩壊の危機にある。

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 イスラエル軍は南部での地上作戦で「いくつかのテロ施設」を破壊したと主張。また、ハマスが直近の数カ月、かつて病院だった北部の建物を司令所として使い、イスラエル軍や同国領内への攻撃を指揮していたとも主張した。反撃としてその施設を破壊したとした。

 カッツ国防相は21日、同国軍に対し、ガザの住民を避難させつつ、更なるエリアを掌握するよう指示したと声明で明かした。ハマスが人質の解放を拒否し続ける限り、「イスラエルが獲得する地域は増えるだろう」と述べた。

 一方、ハマスは20日に声明で、18日以降のガザでの死者数が約600人に達し、犠牲者の多くが子どもや女性だと主張した。ユニセフ(国連児童基金)の現地広報担当者はカタールの衛星放送局アルジャジーラに対し、18日の戦闘再開以降、少なくとも200人の子どもが死亡したと話した。

 ハマスは「アラブとイスラム諸国」に対し、国連などで速やかに行動をとり、「侵略とパレスチナの人びとに対する集団殺害」を止めるための措置を講じるよう求めた。

 イスラエル軍は20日、商都テルアビブに向けてガザから3体の飛翔(ひしょう)体が発射され、1体を迎撃、残る2体は領内の空き地に落下したと発表。ハマスの軍事部門「カッサム旅団」は同日、発射を認める声明を出し、「市民に対する殺戮(さつりく)への報復」だとした。

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