パレスチナ自治区ガザでの攻撃を続けるイスラエル軍は12日、ガザ最南部ラファの北部に設置した「モラグ回廊」を掌握し、ラファを包囲したと発表した。停戦交渉が行き詰まるなか、イスラエル軍による圧力が高まっている。
軍の計画では、モラグ回廊と、ラファ南側でエジプトとの境界にあり、すでに軍が掌握している「フィラデルフィ回廊」に挟まれたラファ全域を緩衝地帯にするとしている。
軍はこれまで、イスラム組織ハマスがエジプトからラファを経由して地下トンネルで武器を持ち込んでいると主張し、ラファを戦略上の要地と位置づけていた。ガザをエジプトから切り離し、ハマスの掃討作戦を進めるとみられる。
2023年10月にガザで戦闘が始まるまで、ラファには約20万人が住んでいたが、現在は多くの住民が避難を強いられている。地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、軍は12日、ラファと隣接するハンユニスでも避難命令を出した。カッツ国防相はガザ声明で「イスラエル軍の活動はまもなく、ガザの大部分で拡大していく」とし、さらに避難地域が増えると述べた。