ワシントンの連邦議会で2025年7月8日、記者団に話すイスラエルのネタニヤフ首相=ロイター

 パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦をめぐりイスラエルのネタニヤフ首相は7日、米FOXニュースのインタビューで、イスラエル軍の支配をガザの全域に広げる意向を明言した。一方、長期的な支配の継続については否定的な考えを示した。

  • イスラエル政権のガザ「完全占領」計画、軍から懸念 トップ辞任論も

 ネタニヤフ氏は記者から「イスラエルはガザ全域を支配するのか」と問われ、「そのつもりだ」と返答。理由として「(ガザのイスラム組織)ハマスを排除し、我々の安全を確保する。ガザの住民を解放し、ハマスでない文民政府に引き渡せるようにするためだ」と説明した。

 一方、イスラエルがガザを「統治したいわけではない」とした上で、将来的には「我々を脅かさず、ガザの人々に良い生活を与えるような、適切な統治を行うアラブ勢力に移譲したい」と主張。具体的な統治体制や国名などについては言及しなかった。

 ハマスは7日、ネタニヤフ氏の発言は停戦・人質解放交渉を「明らかに反転させるものだ」とする声明を発表。同氏が「個人的利益のために人質を犠牲にしようとしている」と牽制(けんせい)した。

 イスラエルは現在、ガザの約75%を支配しているが、軍は支配を全域に拡大することには消極的だ。イスラエルメディアによると、同国政府は7日夜、安全保障関連の閣議を開催。今後の作戦方針について協議したとみられる。

共有
Exit mobile version