イスラエル首相府は3月31日、ネタニヤフ首相が国内諜報(ちょうほう)組織「シンベト」の長官にシャルビット元海軍司令官を充てることを決めたと発表した。シンベトのトップ人事を巡っては、ネタニヤフ氏が21日に現職のバー長官の解任を決定したが、最高裁判所がその決定を差し止めるなど、もめている。
バー氏の解任についてネタニヤフ氏は、2023年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル南部への奇襲攻撃以降、バー氏への信頼が失われたことを理由にしていた。
しかし、地元メディアなどによると、シンベトはネタニヤフ氏の側近がカタール政府から資金提供を受けた疑惑を調べているとされ、バー氏解任との関連に注目が集まっている。地元メディアによると、このカタール疑惑に関連してイスラエル警察は31日、ネタニヤフ氏の顧問2人を拘束した。
首相府によると、ネタニヤフ氏は複数の候補者との面談をへてシャルビット氏を選んだ。シャルビット氏は36年間イスラエル軍に在籍し、海洋防衛力の構築や、ハマス、レバノンのシーア派組織ヒズボラ、イランなどに対する作戦で功績があったという。