四大公害病の一つ、イタイイタイ病を発症する可能性がある「要観察者」で唯一生存していた富山市の90代女性が亡くなっていたことが、関係者への取材でわかった。昨年8月にはただ1人生存していた認定患者も亡くなり、1967年の富山県による認定開始以来初めて、存命する患者・要観察者がいなくなった。
県によると、イタイイタイ病の認定・判定は、患者が計201人、要観察者が計345人。被害者団体のイタイイタイ病対策協議会などによると、亡くなった要観察者の女性は2023年に県公害健康被害認定審査会を経て、要観察者と判定された。女性は腎臓障害があり、慢性腎不全に悪化。人工透析による治療を続けていたが、3月中旬に亡くなったという。
県は、1975年以前の20…