【神奈川】茅ケ崎駅北口で半世紀近く親しまれてきた総合スーパー「イトーヨーカドー茅ケ崎店」が5日、閉店した。特別なセレモニーはなかったが、終業時刻の午後7時前には市民が続々と詰めかけ、シャッターが下りる様子をスマートフォンに収めたり、「45年間ありがとー」と声をかけたりして別れを惜しんだ。
同店は1979年10月に地下1階、地上6階の駅前のビルのキーテナントとして開業。好立地で食料品や衣料品などを扱い、人気を集めた。しかし、ヨーカドー全体の近年の経営不振を受け、親会社の流通大手セブン&アイ・ホールディングスは2023年3月、構造改革として126店舗のうち33店舗を閉店する方針を発表。県内では昨年8月に閉店した綱島店(横浜市港北区)を含め、茅ケ崎店など4店舗が対象となった。今月中に残りの藤沢店(13日閉店)、川崎港町店(26日閉店)も営業を終了し、25店舗体制となる。閉店の基準については「店舗ごとに様々な項目を精査して決めている」(同社広報)としている。
20年来通い、閉店を見守った市内の会社員の女性(58)は、「駅から自宅に帰る途中でさっと食材を買うことができ、自分と家族を支えてもらった。幼かった息子ともよく来た。とても寂しい」と話していた。