「オオミズアオの終齢幼虫です。大きくてかっこいいでしょ」。大和市の小学6年生、赤羽深鳥(みどり)さん(12)は蚕に魅せられ、生糸を吐くイモムシや成虫のガの飼育や観察に何年も取り組んでいる。
赤羽さんは自宅でクワコ、ウスタビガ、ヒメヤママユなど約10種を飼う。「羽化したカイコガは真っ白で天使か妖精みたい」と魅力を語る。
一番好きなのは幼虫のイモムシだ。「世話をするのが楽しい。食草の葉をむしゃむしゃ食べる様子、体の節を使って動く姿もかわいい」
2歳のころ、地元の郷土民家園で展示飼育されていた蚕に釘付けになった。
幼稚園に入ると、自宅で飼育を始めた。民家園で餌になるクワの葉をもらい、イモムシの観察記録をつけ始めた。小学3年生のときには「自然科学観察コンクール」の小学校の部で全国の3等賞に選ばれたこともある。
今は、民家園で自身の観察研究の発表や、糸づくりや機織り体験会の講師役を務めている。
■研究者に会いに、父も理解者…