ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部の前にひるがえるIAEAの旗。2023年撮影=AP

 イランの核開発問題で国際原子力機関(IAEA)の理事会は12日、IAEAの監視活動への協力などを定めた保障措置協定の義務をイランが果たしていないと非難する決議を採択した。ロイター通信などが報じた。イランは強く反発し、国内に新たなウラン濃縮施設を設置すると発表した。

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 イランは、新型遠心分離機を導入するともしており、実現すれば高濃縮ウランの製造能力が格段に高まる。同国の核武装に対する国際的な懸念をさらに深めることになりそうだ。核開発問題に関する米国との協議にも影響を与えるとみられる。

 IAEAは9日から定例理事会を開催。イランに関しては、濃縮ウランの貯蔵量や濃縮設備に関する定期報告のほかに核開発活動と保障措置協定の履行を検証した包括報告書が提出された。

 決議案は英仏独の欧州3カ国と米国が提出した。ロイターによると、決議はイランが2000年代初頭まで実施していた未申告の核開発活動の疑惑などに触れ「理事会やIAEAの再三の要請にもかかわらずIAEAへの協力を怠り、検証活動を妨害した」と指摘、保障措置協定の義務違反を認定した。理事国35カ国のうち19カ国が賛成したという。

 これに対してイランは外務省…

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