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閣議後会見に臨む上川陽子外相=2024年4月16日午後4時10分、東京・霞が関の外務省、松山紫乃撮影
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 イランが在シリアの大使館への空爆の報復としてイスラエルへの直接攻撃に踏み切った中東情勢をめぐり、日本はイランとの「伝統的な友好関係」を生かした独自外交を描き切れずにいる。イスラエル寄りの米国と共同歩調を取り、主要7カ国(G7)メンバー国としてイランだけを非難する立場を取る日本についても、識者からは「ダブルスタンダード(二重基準)と見られかねない」との指摘が出ている。

 上川陽子外相は16日、イランのアブドラヒアン外相と電話協議し、今回の攻撃について「中東情勢を一層悪化させるもので、エスカレーションを強く非難する」と言及。「イランやイラン国民はもちろん、我が国を含めた国際社会全体の利益にならない」として自制を求めた。この経過を上川氏はイスラエルのカッツ外相に電話協議で伝え、「これ以上緊張が高まると、制御不能な状況になりかねない」とイスラエル側にも自制を促した。

 イスラエルによるとされる、在シリアのイラン大使館への空爆をめぐっては、上川氏は記者会見で「イスラエルは関与を認めておらず、事実関係を十分に把握することが困難で、確定的な評価は差し控えたい」と述べるにとどめた。イスラエル、イラン両国への対応の温度差について、外務省幹部は「イスラエル本国への攻撃はやり過ぎだ」と解説する。

 ただ、原油の9割を中東に依…

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