シリアの首都ダマスカスでイラン大使館が攻撃され、同国の革命防衛隊の司令官らが死亡したとみられる事件を受け、国連安全保障理事会は2日、緊急会合を開いた。パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘に続く中東地域の緊張の高まりに、多くの国が懸念を示した。
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国連のキアリ事務次長補は現地の報道などを根拠に計13人が死亡した可能性について報告した。攻撃者は特定せず、すでに非難声明を出していた国連のグテーレス事務総長の言葉を繰り返し、国際法を順守するよう求めた。
理事国の間では意見が分かれた。会合を要請したロシアと、中国、アルジェリアは空爆はイスラエルによるものと主張。ロシアのネベンジャ国連大使は、イスラエルを支持する米国が事件の情報を確認できないとする主張に疑問を呈した。
英国やフランスは、イランがイスラエルと対立するイスラム組織ハマスらを支援し、周辺地域の緊張を高めていると批判した。米国のウッド国連代理大使は「米国は今回の空爆に関与していない。事前に知ることもなかった。イラン側にも伝えている」と説明したうえで、イランに武装組織への支援をやめるよう要求した。
一方、ウッド氏はガザで食料…