イスラエルとイランが停戦してから23日で1カ月。トランプ米大統領は、米軍によるイランの核施設空爆が戦闘を終わらせたと誇りました。空爆は法的な妥当性が疑問視される一方、米国内では肯定的な声も少なくありません。オバマ民主党政権で特殊作戦・テロ対策担当の国防副次官補を務めたウィリアム・ウェクスラー氏は「正しい判断だった」と評価します。その理由とは。
――核施設空爆をなぜ評価するのですか。
イランの核施設攻撃について、私は長年、米国が踏み切ることはないし、イスラエルにはその能力がないから、退屈で意味のない議論だと思っていました。ところが状況は大きく変わりました。攻撃の必要性が高まる一方、それに伴うリスクは低下したのです。
必要性↑ リスク↓ 攻撃決断を評価する理由
――どういうことでしょうか。
最も重要なのは、イランが(1979年の)イスラム革命以来最も核心的な政策の一つを根本的に変えたことです。彼らは従来、自らは手を下さず、代理勢力を通じて攻撃をしかけてきました。昨年、その態度を百八十度転換して、イラン自身が2度も、数百発のミサイルとドローン(無人機)でイスラエルの国土を直接、民間人が死傷する可能性が高い形で攻撃しました。
それは米国に、脅威を増した…