米中央軍は9日、イランの革命防衛隊が輸送に使っていた無船籍の船から押収した5千丁以上の自動小銃AK47などの武器や弾薬を、ウクライナ軍に譲渡したと発表した。これらは元々、イランからイエメンの反政府武装組織フーシに供給される予定だったとし、譲渡は「ロシアの侵攻からウクライナを守ることに役立つ」としている。
中央軍によると、ほかに譲渡したのは機関銃や狙撃銃、50万発以上の弾薬。2021年5月から23年2月にかけ、計4隻の船籍のない船から押収したものだとしている。
中央軍はこれらの武器弾薬について、イエメン内戦をめぐる武器禁輸措置などを定めた国連安全保障理事会の決議に違反する形で、革命防衛隊からフーシに移送されていたものだと主張。今後も「同盟国やパートナーと協力し、イランの武器支援の流れに対抗していく」としている。
中央軍は昨年10月にも、船籍のない船から押収した弾薬約110万発をウクライナ軍に引き渡している。同軍はこの弾薬についても、革命防衛隊がフーシに供給するために運んでいたとしている。(テヘラン=佐藤達弥)