島周辺にすみついているミナミハンドウイルカ。人間に興味を示すイルカも=2024年8月10日、御蔵島沖、中山由美撮影

 都心から南へ約200キロ。人口約300人の御蔵(みくら)島(東京都御蔵島村)には、イルカとの出会いを求め、多くの人々が訪れる。周辺にすむイルカは約130頭。島民らが個体識別調査を始めて、今年で30年になる。調査をもとに村は観光のルールを決め、イルカとの共生をめざしてきた。

 島行きの大型客船は深夜、竹芝埠頭(ふとう)(港区)を発つ。早朝、紺碧(こんぺき)の海にぽっかり浮かぶ御蔵島が見えてくる。波の浸食で断崖がそびえる島の周りに、ミナミハンドウイルカがすみついている。

 8月半ば。小船に乗り、岸に沿って走ると、波間からグレーの背びれがのぞいた。船を止めて、しばし待つ。

【動画】イルカとともに生きる御蔵島=2024年8月、中山由美撮影

 「左からいいよ」。ガイドの…

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