インド北部の集落で、野生のオオカミによる襲撃被害が相次ぎ、子どもを含む多数の死傷者が出ている。ドアのない家に侵入したり、屋外で寝ているところを襲われたりするケースが目立ち、行政当局はドローン(無人機)などを使って捕獲を急ぐ。
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地元紙ヒンドゥスタン・タイムズによると、襲撃被害は、隣国ネパールとの国境に近いウッタルプラデシュ州の都市バハライチ近郊で相次いで発生。これまでに計32の集落で、子ども9人を含む10人が死亡し、40人以上が負傷した。多くは、外部からの侵入を防ぐドアや窓がない家の中や、ベランダなどの屋外で就寝中に襲われた。
この地区で被害が目立ち始めたのは今年3月。3歳の女児や1歳の男児が相次いでオオカミにさらわれた。雨期に入った7月以降、被害がさらに増加している。
9月5日夜には8歳の少年が、自宅近くで遊んでいたところを襲われ、首や頰に大けがを負った。少年の母親は、大人たちの叫び声を聞いてオオカミは逃げ出した、と話した。タイムズ・オブ・インディアが伝えた。
住民は野生動物の脅威におびえている。市場は昼間も閑散とし、住民はこん棒などを手にして外を出歩いている状態だ。
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