パキスタン中部ムルタンで2025年5月10日、インドとの停戦合意を喜ぶ市民ら=AFP時事

 インドとパキスタンの衝突を巡り、トランプ米大統領は10日、米国の仲介によって両国が即時停戦に合意したと発表した。印パ両政府も合意を確認した。核兵器を保有する両国は同日、相手の軍事基地を攻撃し合うなど、緊張が極度に高まっていた。

 トランプ氏は自身のSNSに「米国の仲介による長い協議の夜の後、印パ両国は即時完全停戦に合意した」と投稿した。

  • 【そもそも解説】インドとパキスタンの対立なぜ続く? 両国の主張は

 ルビオ米国務長官は「印パ両政府が即時の停戦に合意し、幅広い問題について協議を開始する」との声明を出した。過去48時間、自身とバンス米副大統領がインドのモディ首相やパキスタンのシャリフ首相らと協議し、仲介にあたったと強調した。

 直後にインド外務省のミスリ次官も同日夕の会見で「両国の軍当局者が電話で協議し、両者が陸海空の全ての銃撃や軍事行動をインド時間の午後5時(日本時間の午後8時半)から即時に停止することで合意した」と発表した。両者の軍当局者が12日に再度協議することも明かした。

 パキスタンのダール副首相兼外相も10日、記者団に即時停戦の合意を発表しつつ、ルビオ米国務長官に言及して謝意を示した。地元テレビが報じた。

 合意の直前まで、両国の対立は危険な状態に達していた。パキスタン軍によると、首都イスラマバード近郊のラワルピンディや東部パンジャブ州ムリド、同州ショルコットの3カ所の空軍基地が同日未明、インド軍のミサイル攻撃を受けた。

攻撃の応酬、高まっていた緊張

 パキスタン軍はただちに新た…

共有
Exit mobile version