インドの首都ニューデリー周辺で大気汚染が深刻になっている。呼吸器や耳鼻の不調を訴える人が増え、市民の平均寿命を12年近く短くしているとの分析結果も出ている。
ニューデリーでは今月下旬から、午前中を中心にスモッグで覆われる日が増加。周辺地域での野焼きやヒンドゥー教の新年に当たるディワリを祝うための爆竹の煙、建設工事で出る粉じん、販売数が伸びている自動車の排ガスといった複数の原因が指摘されている。
世界保健機関(WHO)は、有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度について、24時間平均で15マイクログラムを超えないよう指針を定めているが、首都の一部地域では28日の一時、その16倍に当たる約240マイクログラムを記録した。今後、さらに悪化する恐れが高い。
地元メディアは、大気汚染の影響で、インド人の平均寿命が5.3年分短く、首都近郊の住民だと11.9年分短くなるとの調査結果を報じた。
スイス企業「IQAir」が発表した「大気汚染が深刻な世界の街(2023年)」という調査では、最も悪かった10カ所のうち、5番目以外をインドの街が占めた。
ディワリ時期、患者は20~25%増加
インドの大気汚染は毎年この…