2月のインドネシア大統領選で初当選したプラボウォ国防相が20日、第8代大統領に就任する。国軍出身で、人権侵害を問われた過去を持つ。新政権で調査報道の禁止などの法改正に取り組む可能性もあり、「民主主義の後退」が危惧されている。

 プラボウォ氏は73歳。独裁政権を続けたスハルト元大統領の娘の元夫で、過去に国軍幹部を務めた。1990年代には民主活動家への人権侵害事件に関与した疑いも持たれている。

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シンガポールで6月1日、シャングリラ・ダイアローグに出席したプラボウォ氏=ロイター

 大統領選には3回目の立候補だった。今回は国民人気の高かったジョコ前大統領の長男を副大統領候補とし、全体の約6割に当たる約9600万票を得て当選した。

「調査報道の禁止」法改正進む可能性も

 大統領選から就任式までの約8カ月間、「身内づくり」に奔走した。

 「巨大連立政権によって、強力な政府を築きたい」。9日、首都ジャカルタで開かれたイベントで、プラボウォ氏はそう力を込めた。

 大統領選でプラボウォ氏を支…

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