Smiley face
写真・図版
首脳会談に臨み、握手するインドのモディ首相(左)とロシアのプーチン大統領=2025年9月1日、中国・天津、インド政府提供
  • 写真・図版

 「全方位外交」を掲げるインドが窮地に立たされている。友好関係を築いてきたトランプ米大統領にそっぽを向かれ、年内に日米豪印の戦略対話「QUAD(クアッド)」首脳会議を開くインドへの訪問計画がないと報じられた。インドのモディ首相は国境紛争を抱える中国との関係を改善し、ロシアに近づくようにも見えるが、外交バランスは保てるのか。

 インドメディア「タイムズ・オブ・インディア」は1日、中国・天津で開催中の「上海協力機構(SCO)」首脳会議の会場で、モディ氏がロシアのプーチン大統領、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と輪になって笑いあう動画を公開。「いじめっ子トランプへのメッセージ」というキャプションをつけた。

 同メディアはまた、モディ氏がプーチン氏の公用車の後部座席に並んで座る親密な写真もウェブサイトに掲載した。ロシアメディアによると、2人は車内で1時間近く話し込んだという。インド側は今年後半にプーチン氏がインドを訪問する予定も明らかにした。

 一方で、冷え込んでいるのが米国との関係だ。トランプ政権は8月27日、インドからの輸入品に課す関税を従来の2倍の50%に引き上げた。米側はウクライナに侵攻するロシアからインドが原油を買い続けているため、としている。ロシアに間接的に圧力をかける「二次関税」という手法だが、大量のロシア産原油を買う中国には課しておらず、インド側には「不公平だ」との不満が募る。トランプ政権には関税交渉で強硬姿勢を崩していない。

 こうしたなか、米紙ニューヨ…

共有