米検察当局は20日、インド新興財閥アダニ・グループを率いるゴータム・アダニ会長(62)らを詐欺罪などで起訴したと発表した。アダニ氏は世界的な富豪として知られ、インドのモディ首相との関係も近いと指摘されてきた。対中国を念頭に接近を図る米印両政府にとって、懸案事項となりそうだ。
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AP通信などによると検察当局は、アダニ氏や他の幹部らが、太陽光発電事業に絡んでインド政府関係者に2億5千万ドル(約390億円)以上の賄賂を支払う約束をして事業を受注し、米国の投資家らを欺いたと主張している。
検察当局の発表を受けて、21日のシンガポール市場では同グループ企業のドル建て債券の価格が急落。インド市場では、グループ企業の株価が大幅に下落している。
アダニ・グループを巡っては、米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが2023年1月、タックスヘイブン(租税回避地)などを介した大規模な会計不正や株価操作などを長年行ってきた疑いがあるとの報告書を発表。グループ企業の株価が一時、大きく下落していた。(ニューデリー=石原孝、バンコク=伊藤弘毅)