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語学の扉
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 ど派手なアクションにダンス――「ボリウッド」を代表格に、日本でも注目されて久しいインド映画。近年は米アカデミー賞受賞作も登場し、存在感を高めています。日本での上映に欠かせない字幕の翻訳を数多く手がける藤井美佳さんに、その仕事ぶりを聞きました。

 ――どんな作品を担当してきたのですか。

 「バーフバリ」や、「RRR」などの字幕を担当しました。今年の仕事は、8割以上がインドのものでした。インドの連邦公用語、ヒンディー語の作品が多いですが、テルグ語やタミル語など南部インドの言語の作品も担当します。

 字幕翻訳者が受け取る台本は、基本的に英語ですが、最近はヒンディー語の台本も増えてきています。

日本でも広がった裾野 きっかけはあの人気シリーズ

 インドは西洋の国と、文化や生活習慣などで違いが多い一方で、地域の事情に精通した専業の字幕翻訳者は長年不在でした。私は大学でヒンディー語を学んだので、インド関連の仕事を振られる機会が多くて。日本で見られる作品が増える前も、年に1作品はインド映画を翻訳してきました。

 最初は、いまのように数が増えると思えず、ヒンディー語やインドの知識も「いつか役に立つかも」という程度の認識でした。インド作品が増え始めた2010年代、特に「バーフバリ」のヒット以降は、視聴者の裾野が広がったと感じます。

 ――なぜ、字幕翻訳者に?

 映画が好きだったからです…

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