インド西部アーメダバードで乗客・乗員242人を乗せたエア・インディア171便(ボーイング787型機)が墜落した事故を受けて、地元航空当局は15日までに、国内にある同型機の臨時検査などを指示した。航空便の利用者からの安全性への懸念を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。
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ナイドゥ民間航空相は14日の記者会見で「国内で33機が運用されている」とし、一部はすでに検査が終了したと明かした。
墜落の原因ははっきりしていないが、地元メディア「ニュース18」などは、操縦士が墜落直前、管制官に緊急事態を知らせる言葉の「メーデー、メーデー、メーデー」を連呼した後、「パワーなし……推力なし……下降する」と発信していたと報道。当該機の機長は事故前に8千時間以上の飛行時間があったというが、エンジンが何らかの理由で停止した可能性があるという。
事故を受けて、エア・インディアや親会社の大手財閥タタ・グループは、遺族らに対して1人あたり1250万ルピー(約2090万円)を支払うと公表。DNA型の確認作業は難航しているが、遺体の返還も徐々に始まっている。
事故は12日午後1時40分(日本時間同日午後5時10分)ごろに発生。乗客・乗員242人のうち、1人を除く全員が死亡したほか、地上にいた医科大学の学生ら約30人も巻き込まれて死亡したとみられる。
一方、ANI通信は北部ウッタラカンド州で15日朝、子どもを含む7人が搭乗していたヘリコプターが墜落し、全員が死亡したと報じた。乗客はヒンドゥー教の巡礼地を訪れていたといい、悪天候が影響した可能性が高いという。