酷暑の中で行われたインド総選挙は、投票率が伸び悩む中、与党が予想外に苦戦し、野党が議席を増やす見通しとなった。3期目を迎えるモディ首相に対し、支持・不支持を問わず庶民生活の改善を求める声が上がっている。
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開票作業が進む中、首都ニューデリー中心部の与党インド人民党(BJP)本部では、午前中から続々と集まった支持者が、太鼓をたたき、踊りながら気勢を上げた。
電気工のラタン・ランジャンさん(29)はその傍らで、モディ氏の人形を前に静かに火をたいて、ヒンドゥー教の祈りを捧げた。
「モディ首相は(叙事詩ラーマーヤナの主人公)ラーマ王子の寺院を再建した。500年以上続く問題を解決してくれた」。北部アヨディヤで、かつてイスラム教徒の礼拝所(モスク)があった土地にヒンドゥー寺院を建てたことを称賛した。
少数派イスラム教徒の反発を押し切り、多数派ヒンドゥー教徒の宗教心に訴える手法は、政権への支持のつなぎとめにある程度つながった可能性がある。
「議席が減ったとしても十分勝っている。モディ首相、3期目おめでとう」。衣料品店で働くスラジ・クマールさん(25)はうれしそうに話した。一方で、モディ政権の次の5年には「人々の給料を上げてほしい。物価を下げてほしい」と注文を口にした。
暑すぎる選挙 投票率に影響か?
生活を良くして欲しいという…