インド北東部インパールで2025年8月9日、インパール平和資料館を見学する小野啓一駐インド大使(中央手前)ら=石原孝撮影

 第2次世界大戦中に日本軍が占領をめざし、多くの兵士や住民が死傷したインド北東部インパールで9日、慰霊式が開かれた。戦後80年を迎える今年、現地では次の世代に記憶をつなぐ模索も続いている。

 式典には現地の日本大使館の職員や地元のマニプール州の政府職員、2019年に開館したインパール平和資料館の関係者らが出席。慰霊碑の前で黙禱(もくとう)を捧げた小野啓一大使は、「戦争は全てを奪い、何も与えないということを、私たちは決して忘れてはならない」とあいさつ。旧日本兵の遺骨収集や経済協力を続けると述べた。

 日本軍は1944年、英領インド北東部の要衝に攻め込む「インパール作戦」を実施。食料や武器弾薬の不備などで3万人超が犠牲になった。飢えやマラリアに感染して死亡した人も相次いだ。

 激戦地レッドヒル(赤い丘)のふもとに建設された平和資料館には、旧日本兵のヘルメットや銃弾など約500点の展示品が並ぶ。

「過去の過ち繰り返さないよう」

 開館から7万2千人以上が訪…

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