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勉強会で説明する坂本憲司さん=2024年6月26日、横浜市西区、増田勇介撮影

 エンジニア一筋。30年以上、この世界に身を置くシステムエンジニアが、60歳を機に転職した。

 自分よりも若い仲間に囲まれて、日進月歩の業界に身を置くのが楽しいのだという。

 「情報システム部門は、エンドユーザーとベンダー(製造元)の間に入る。プロジェクトが大規模になればなるほど、失敗しやすい」

 6月下旬、横浜市西区のIT企業システムアイの勉強会で、社員の坂本憲司さん(61)が講師役として、鉄鋼商社の情報システム部門で働いていた当時の経験を語った。重要なことは、経営者が現場にシステム導入の意義を伝えることだという。

 システムアイの社員にとっては、顧客の考え方を知ることができる機会だ。

 「誰が最初に失敗に気づくのか」と質問が飛ぶと、坂本さんは「現場でプログラムを組んでいる人たち」。「でも、上司にエスカレーション(報告)しても響かないよね」と付け加えると、参加者から「わかる、わかる」という声が返ってきた。

定年を見据えて勉強したことは

 坂本さんが働き始めたのは1…

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