ロシアによるウクライナ侵攻から2年余り。ある女性の取り組みをきっかけに、ウクライナの工房で作られた木製のおもちゃが、日本の子どもたちにも徐々に親しまれている。商品を買ってもらうことで、現地の雇用を確保するという支援にもつながっている。
木工のおもちゃとカフェの「Woodayice(ウディック)」(東京都世田谷区)の店内。ウクライナのおもちゃブランド「SABO CONCEPT(サボコンセプト)」のおままごとセット4種類が今年3月から並ぶ。いずれも職人による手作業で作られている。子どもへのプレゼントだけではなく、インテリアとして飾りたいという人もいる。
SABO CONCEPTのおもちゃは、合同会社「Boon(ブーン)」(東京都江東区)が総代理店として、日本国内での小売りや卸売りを担う。Boonは2022年、代表社員の草野瑛未里さん(31)が事業を始めた。
草野さんは子どもの頃から、異文化交流に関心があった。大学で異文化論を専攻し、アルバイトでためたお金で世界各地を旅した。これまで30カ国以上を訪れた。
食品メーカーで輸出業に携わり、ITサービスの会社でも働いてきたが、「異なった文化から生まれたものを日本に持ってきたり、日本発のものを海外に伝えたりしたい」との思いを持ち続けていた。
21年6月に誕生した長男のために、海外のおもちゃを調べていたことをきっかけに、長年の思いをかなえようと事業を立ち上げた。
1週間連絡が取れないことも
さまざまな言語で「おもちゃ…