ロシアがウクライナへ本格侵攻を始めて24日で2年半が経過した。米国からの武器・弾薬提供が一時停滞するなどして追い込まれたウクライナは今月、ロシア領へ、誰もが予想しなかった越境攻撃に踏み切った。大胆な作戦には政治的な狙いもにじむ。ロシアは対応に追われている。
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劣勢だったウクライナ軍が北東部スーミ州から国境を越えてロシア領内への電撃的な進軍を始めたのは8月6日。ロシアがこれを予期していなかったのは明らかだった。
ウクライナ側は、越境攻撃で投降したロシア兵は多くが徴兵された若い兵士たちだったとする。ウクライナ軍は、ロシア・クルスク州内で次々集落を掌握し、19日にはゼレンスキー大統領が1250平方キロを制圧したと豪語した。米国のシンクタンク「戦争研究所」(ISW)によると、ロシア軍が今年1月からの7カ月間で広げた占領地は1175平方キロ。ウクライナは2週間でそれに匹敵するロシアの領土を支配下に置いたことになる。
ウクライナは、越境攻撃は侵…