国営ウクライナ鉄道は、戦争初期から寝室付きのVIP車両を整備し、外国要人を国内外へ輸送している=ニューヨーク・タイムズ

Inside ‘Rail Force One’: The Trains That Take World Leaders to Ukraine

 ロシアがウクライナに侵攻してから3年近くが経ち、欧州連合(EU)の行政トップであるフォンデアライエン欧州委員長は、ウクライナの首都キーウ行きの夜行列車での10時間の旅に慣れたという。睡眠を取ろうとする時以外は、会議の準備をしたり、ウクライナに関する本を読んだりして時間を過ごしている。

 フォンデアライエン氏は2022年初頭からこれまでに8回ウクライナを訪問した。そのため、ブリンケン米国務長官など他国の政府高官がキーウを訪問する際の写真や映像を見ると、彼らの疲れが手に取るようにわかるという。

 「あの疲れた目を見ると、線路上をガタンゴトンと走る列車のせいで、ブリンケン氏が一晩中よく眠れなかったことがわかる」と、フォンデアライエン氏は今年9月にキーウを訪れた際、ブリンケン氏について語った。

 ウクライナへの民間航空便の運航が安全上の理由で停止しているため、戦争で荒廃した同国では鉄道が主要な交通手段となった。この2年半で、数百万人のウクライナ人が同国の広大な鉄道網を頼りに出入国しており、寝台列車での長時間の旅を強いられることもしばしばある。

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バイデン氏を乗せた列車は、米大統領専用機エアフォースワンをもじって「レールフォースワン」と名付けられたそうです。NYT記者が、各国首脳のエピソードを車内の写真とともに紹介しています。

 一般市民よりはましな環境が…

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