ロシアによる侵攻が続くウクライナに対して、商品の購入を通じて息の長い支援をしていこうと、当地の食品や衣服、電子機器など145種類の商品を紹介する本「ウクライナ製品完全ガイド」が出版されました。副題は「善意から物欲へ」。そのフレーズに込めた思いとは。著者の田中祐真さんに聞きました。
JICAウクライナ支援室・田中祐真さんインタビュー
――戦時下でも様々な製品が作られているのですね。
2024年9月から国際協力機構(JICA)のウクライナ支援室で、復興支援や技術協力の仕事をしています。今年6月、7月にウクライナに出張しましたが、キーウのスーパーではまず買えないものはありませんし、街には人があふれていました。戦争が続く中でも経済を回していこうとしています。
本の執筆は、カタログとして見てもらって「こんなものもあるんだ」と、ウクライナについて知るきっかけになればうれしなと思い取り組みました。各企業のウェブサイトのほか、現地の評価サイトやニュース記事を調べ、日本の人が欲しがりそうなものを選びました。食品や飲み物、アクセサリー、衣服、家具、電子機器、アプリなど様々なジャンルの商品です。それぞれ商品に、企業のウェブサイトや値段、解説記事などの情報を記しています。
――どのように活用してもらいたいですか?
「これ欲しいな」と思ったら、各社のウェブサイトを見てもらえればと思います。ウクライナ語や英語表記が多いですが、欲しいものに出会ったら、ぜひ、連絡をとってみてほしい。
ウクライナの人は日本について「技術大国日本」などと良いイメージをもっている人が多い印象です。大陸の反対側に位置する日本の人に関心をもってもらえたというだけでも、特にウクライナの小規模な工場の人は喜ぶでしょう。戦争の影響で、ウクライナ発着の飛行機が動いていないため少し時間はかかりますが、物流はきちんと動いています。
■ブチャ特産のレザーバッグ
――お薦めとしては、どのようなものがありますか?
農業国のイメージ通り、ソーセージなどの肉、ピクルスのほか、はちみつやチョコレートなどのスイーツも豊富です。
ウクライナは旧ソ連の構成国…