「ウサギの島」で知られる広島県竹原市の大久野島で、野生のウサギを死傷させたとして、動物愛護法違反の罪に問われた住所不定無職の男(25)の初公判が26日、広島地裁呉支部(島崎航裁判官)であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役1年を求刑し、即日結審した。
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起訴状によると、被告は1月9日と21日、島内のウサギ7匹の頭を踏みつけたり、脚の骨を折ったり、口にハサミを入れたりするなどして1匹を死なせ、6匹を傷つけたとされる。
検察側の冒頭陳述によると、被告は勤務先の上司の指導が厳しくなった影響で適応障害になり、昨年9月に休職。静養中に偶然見た動画で、大久野島のウサギに関心を持ったという。その後、狩猟で捕獲されたウサギの解体場面などを動画で見るうちに、嫌がらせをして反応を見たいと思うようになったと指摘した。
被告は被告人質問で「当初はちゅうちょする感情があったが、欲求を抑えられなかった」とし、「自分の感情を知られるのが恥ずかしくて相談できなかった」と述べた。また検察側は、2カ月間で60匹弱のウサギを虐待したと供述していたことを明らかにした。
弁護側は、被告が勤務先を辞めるなど、社会的制裁を受けていることなどから、執行猶予付きの判決を求めた。判決は4月14日に言い渡される。