給食のときに守ってほしいことを呼びかける給食委員会の6年生たち=福岡県みやま市高田町下楠田

 福岡県みやま市の小学校の給食で、ウズラの卵をのどに詰まらせて小学1年の男児が死亡した事故から1年となった26日、同市の全11小中学校で、児童の冥福を祈るとともに事故の記憶を風化させず教訓として伝え、安全で安心な学校づくりに努めることを誓う全校集会が開かれた。

 事故が起きた小学校とは別の市立高田小(同市高田町)では午前8時半から体育館に約460人の全校児童が集まった。松尾祐三子校長は、「令和6年2月26日、給食の時間にみやま市内の小学校で大切な一つの命が失われました」と説明し、亡くなった児童の冥福を祈り、黙禱(もくとう)した。給食委員会の6年生9人が「しっかりかんで食べる」「一度に詰め込まない」などとする給食時間に気をつける7項目を発表した。

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 市教委は2月26日を「みやま市学校安全の日」と定めた。待鳥博人教育長は「この日を深く胸に刻み、安全・安心の学校づくりを進めることが私たちに課せられた責務。児童生徒らの安全確保の取り組みを徹底し、安心して学校生活を送ることができるよう、不断の努力を積み重ねることをお誓いいたします」とのコメントを発表した。うずらの卵は市内の給食には現在使っていないという。市教委が設置した第三者委は調査結果や提言を答申したが、市教委は対応策を「諸般の事情」で公表できていない。

 遺族(父親)は市教委を通じて手記を公表した。「(亡くなって)少し経ったくらいから、その後いつからか息子が夢に出てきます。息子は、ニコニコして何かを言うわけでもなく『パパ、パパ』としか言いません。何が言いたいのか話ができません」「私がその場にいたなら力いっぱい背中をたたいて助けてあげたかった」「息子よ、帰ってこい。息子を返してください」などとつづっている。

事故1年にあわせ、遺族(父親…

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