陰影に富む情景描写はしれっと飛躍し、ウソかマコトか不明な話で読者をけむに巻く。文筆家・写真家の平民金子さんのエッセー集「幸あれ、知らんけど」(朝日新聞出版)。子育てという「無敵の期間」からの過渡期にあたる、詩情に満ちた日々の記録だ。 全3章からなる本書の第1章には、朝日新聞の朝刊関西面と夕刊「考…