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 見た目がグロテスクで、釣り人には外道扱いされるウツボ。しかし、高知や徳島などでは食材として重宝してきた。ウツボの「食」を追究する「うつぼ料理研究所」(高知市)代表の町戸太さん(64)にウツボの話を聞いた。

 ――どんな食材ですか

 白身で、こりこりした食感があり、味はあっさり。高知では多くの居酒屋や料理店が食材として扱い、観光客や市民にウツボ料理を楽しんでもらっています。ただ、カツオに比べて国内での知名度はまだ低いようです。

 たたきや刺し身以外に揚げても焼いてもおいしく食べられるバリエーションの豊富さが魅力で、料理人が調理意欲をかき立てられる食材です。カツオは冷凍しても足が早く、食べ方もたたきや刺し身に限られるが、ウツボは冷凍で長く保存できるのも長所です。

 ウツボを調理するうちに食材としての可能性に気づいた町戸さん。ついに「熟成ウツボ」のコース料理を手がけるに至ります。そのいきさつを語りました。

 ――ウツボとの縁は

 土佐市宇佐町にあった活魚料理店で料理人をしていた1980年代に料理の新しいアイデアを求められ、ウツボを手がけたのが最初です。扱いやすさからウツボを広めたいと思うようになりました。以来、仕事先は変わってもウツボの食べ方はずっと考えてきました。「うつぼ屋」という店を高知市内で営んだこともあります。

 ――調理に手がかかるとか…

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