環境省のレッドリストなどで絶滅危惧種とされている一方、伝統的な食材でもあるニホンウナギ=長崎大の松重一輝助教提供

 絶滅危惧種となったウナギを「食べる」か「守る」か、ではなく、食べ続けるために守る――。そんな意識の醸成が重要だと指摘する論文を、長崎大などのチームが発表した。新聞記事の内容から市民の意識を分析し、土用丑(うし)の日のあり方にも一石を投じている。

 チームは、2020年7月19日~21年7月28日に朝日新聞と毎日新聞に出た、ウナギに関する計423本の記事を抽出。この期間に土用丑の日は2回あった。特定のキーワードの出現頻度や出現パターンなどを調べる「テキストマイニング」などの手法を使って分析した。他のテーマの社会調査でも、新聞報道の内容分析は、市民意識を間接的に調べる方法として使われているという。

 ニホンウナギは、伝統的な食材である一方、個体数の減少から、13年に環境省のレッドリストで絶滅危惧種となった。養殖に使う稚魚「シラスウナギ」の資源量も低迷。ウナギ漁や食文化の存続が危ぶまれている。

 主にわかったのは三つのことだった。

 消費や個体数に関する記事に…

共有
Exit mobile version